『囲い込み』という言葉をご存じでしょうか？
通常、専任媒介契約または専属専任媒介契約を結んだ不動産については、
レインズ（不動産業者間で情報交換をするネットワークシステム）に登録する義務があります。
『囲い込み』とは、そもそもレインズに物件を登録しない、あるいは、登録した物件を何かと理由を付けて他の不動産業者に紹介しない、ことを指します。
なぜこのようなことが多発するかというと、
売主、買主の両方から仲介手数料をもらう両手仲介を狙う不動産業者が多いからです。
仲介手数料には上限が定められているため、双方からそれぞれ手数料をもらうことで利益をあげたいということです。
本来、レインズに登録することで多数の不動産業者の目に触れ、買い手が見つかりやすくなるのですが、
囲い込みにより自社で買い手を探すことにこだわり、
売却に時間がかかったり、希望の金額で売れない等、売り手の利益を損なうこととなります。
もともと、少しでも高く売りたい売主と、少しでも安く買いたい買主は利益相反関係となりますので、
海外では両手仲介が双方代理にあたるとして禁止されている国もあります。
この囲い込みを問題視し、２０２５年１月からは、囲い込みが発覚した場合、是正の指示処分の対象となります。
従来、囲い込みに対し特に罰則等も存在しなかったため、処分対象として明確化される運びとなりました。
今回の改正で囲い込みが減ることが期待でき、不動産の売却を検討されている方にとって朗報となります。
